トナカイの雑学&豆知識
真っ赤な衣装に身を包んだサンタクロースにつきもののソリとトナカイ。
1823年に米国の新聞に発表された作品(作者はクレメント・クラーク・ムーアともその友人のヘンリー・リビングストン・ジュニアとも言われている)「サンタクロースがきた(A Visit from St. Nichol)」によるとソリを引く8頭のトナカイにはそれぞれ名前があって、ダッシャー(雄)、ダンサー(雌)、プランサー(雌)、ヴィクセン(雌)、コメット(雄)、キューピッド(雄)、ドナー(雄)、ブリッツェン(雄)となっている。
さらに1939年にはロバート・L・メイが「ルドルフ 赤鼻のトナカイ(Rudolph, the Red-Nosed Reindeer)」を発表し、8頭のトナカイのリーダーとして雄のルドルフを登場させた。
これだけを見ると、サンタクロースのソリをひくトナカイたちはオスもメスも両方いるじゃないか、という話で終わってしまうのだが、実は生物学的に見るとこれはあり得ないという結論にたどり着く。
というのもトナカイの角は年に1度はえかわるため、オスのトナカイは11月から12月の中旬にかけて、妊娠していないメスは3月頃、妊娠しているメスは春の出産後数日で角が落ちる。
クリスマスといえば12月下旬。
一生懸命ソリをひくかき入れ時に、オスのトナカイにはあの立派な角がないことになる。
だったら全部メスのトナカイなのかと言えば、春から夏にかけて抜けた落ちたメスの角もまた、クリスマスの時期にはまだ大きくなりきっていない。さらにはメスの角はオスの角よりも元々が小ぶりなため、立派な角を持ったトナカイがソリを引くというあのイメージからずれてしまう。
だ、だったら……?
去勢されたオス。
何だか夢のない話で恐縮なのだが、これが正解。
去勢されたオスはホルモンのバランスが崩れて角が抜け落ちなくなるため、クリスマスシーズンになっても立派な角が生えたままなのだ。
実際、北欧などでソリを引くトナカイは、去勢されたオスだという。
というわけで、まめ知識としては面白いけど、小さなお子さんにはあまり知って欲しくない雑学なのでありました。