アコヤ貝だけじゃない!アワビ貝から採れる幻の真珠「アバロンパール」

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アワビの雑学&豆知識

真珠といえばアコヤ貝――そう答える人が多いのは無理もない。だが、実はアワビからも真珠が採れるというのだから驚きである。

アワビの学名は「ハリオティス(Haliotis)」。日本をはじめ、アメリカ、メキシコ、ニュージーランドなど、太平洋沿岸に幅広く生息している。海のあちこちでひっそり暮らしているこの貝、見た目は地味でも、実は宝物を隠し持っているのだ。

その真珠、「アバロンパール」と呼ばれる。形は、いわゆる丸くて整った“お手本のような”真珠とは違い、平らだったり、ツノのように突き出ていたりと、実に個性的。まるで「自由に育ちました」とでも言いたげである。

アバロンパール
画像はイメージです

色もまた一筋縄ではいかない。ブルー、グリーン、パープル、ピンク、ゴールドと、まるで海の魔法を詰め込んだような色彩が重なり合い、見る角度によって色が変わる。まさに動くアートピースである。

だが、このアワビ真珠、そう簡単には人の手に渡らない。

アワビは、体に入った核を異物と判断し、せっせと吐き出してしまう。しかも成長が遅く、真珠になるには長い歳月が必要だ。気まぐれで神経質、そして繊細。養殖も一筋縄ではいかず、環境が少し変わっただけで体調を崩すというのだから、なかなかに手間のかかる逸材である。

現在でもニュージーランドや日本でわずかに養殖が行われているが、その数はごく限られている。だからこそ、アバロンパールは「幻の真珠」とも呼ばれるのである。

アワビと聞くと、つい「バター焼き」に気が向いてしまうが――その殻の奥に、こんなにも幻想的な宝石が眠っているかもしれないと思うと、少し世界の見え方が変わる気がしないだろうか。

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