人間界がチャラく見えてくる
網ですくって捕まえられるほど警戒心の薄い鳥。バカな鳥。あほうな鳥。だから「アホウドリ」と名付けた人間こそが「あほう」だったんじゃないかと思えるような、アホウドリ夫婦の強いきづな。
円満夫婦の代表のようなオシドリが実は浮気性だというのはもはや有名な話なのだけれども、こちらアホウドリ様は正真正銘の仲良し夫婦。自分の相手(パートナー)が生きている限りは、分かれることがないというのだからたいしたものだ。
子育て期間中はお互いに協力しあって子育てをし、その後はしばらく別々の生活。ふたたび子育て期間がやって来ると、前の年の巣作りの地に降りたって、いつものパートナーとつがいになる。
その時、パートナーが亡くなっているなどして出会えないと……。
すぐに別のパートナーを探すんでしょ!?
と思っていたワタクシ。
ところがなんとアホウドリさん、相手が見つからないから次! なんて薄情な真似をすることなく、2~3年はパートナーを待ち続けるという。それでもどうしても元のパートナーに出会えないとなって初めて、新しいパートナーを探しに出るというわけ。
バカだあほうだと言われたアホウドリさんのこの愛情の深さ。
まあ、愛情で待っているというよりも、自然界の本能で待っているのだろうけど、私たち人間もほんの少しくらい見習ってもいいよね、とは思う。