鳥なのに猛毒!ピトフーイとは何もの?

見つけた時は世紀の大発見だったらしい。

ピトフーイの雑学&豆知識

毒を持つ生物といえば、ヘビにカエル、はたまたクモやハチなどをすぐに思い浮かべるが、なんと鳥の世界にも毒をもっているものがいた。

その名もピトフーイ

聞きなれない名前だけれども、ニューギニアに生息する6種類の鳥

  • カワリモリモズ
  • ズグロモリモズ
  • ムナフモリモズ
  • サビイロモリモズ
  • クロモリモズ
  • カンムリモリモズ

をひっくるめてピトフーイと呼んでいる。

ピトフーイの分類

6種の中で一番毒性の強いズグロモリモズがピトフーイの代表種のようになっているが、ピトフーイというそのものずばりの名前を持つ鳥はいない。

ピトフーイとは特定の種をさすのではなくて、6種類の鳥の総称なのである。

ちょっとわかりにくいかもしれないが、たとえばタンチョウとか、ナベヅルとか、カンムリヅルなどを総称して「ツル」と呼ぶことがあるけれど、「ツル」というシンプルな名前の鳥は存在しないのと同じことだ。

もっともこの場合は「ツル科の鳥」という共通項がある。

しかしピトフーイの場合は6種類のうち2種類がコウライウグイス科、3種類がモビヒタキ科、1種類がカンムリモズビタキ科と、分類上もバラバラなので「これがピトフーイだ!」とすんなり納得するのが難しい。

しかも日本にはピトフーイなんていないものだから、どんな鳥をイメージすればいいのかよくわかないのも辛い。
(^^;)

そもそも、ピトフーイの毒性が発見された当時は6種類ともモリモズ属とやらに属していたらしいのだが、その後のたびかさなる分類の見直しで、今のような状況になってしまっている。

何回も建て増しや改築をかさねた老舗旅館のようなものだと思っておけば、まあ、間違いないだろう(嘘(笑))。

ピトフーイの毒性の発見

1990年にニューギニアのジャングルを探索していた調査団によってはじめて、ピトフーイが毒を持つことが発見された。

どうやって発見されたかと言えば、これが何ともワイルドで1990年のこととはとても思えないのだが

ピトフーイの羽根を舌の上に乗せた

のだという。

そうしたら、くしゃみが出て、口と鼻の粘膜にしびれと痛みを感じたことから「これって毒なんじゃないの?」ということになり、のちの研究で正式に毒を持つことがわかったのだ。

ピトフーイの毒

ピトフーイの毒は、筋肉や羽毛部分に含まれている。

この毒には神経毒のホモバトラコトキシンという猛毒が含まれていて、毒ガエルとして有名なヤドクガエルの皮膚から見つかっているものと同じ種類である。

ピトフーイ自身は体内で毒を作ることはできないので、エサの昆虫が持っている毒を体内にため込んでいると考えられている。

ちなみにピトフーイは、ヘビなどのように毒を使って自分から攻撃をするようなことはない。

毒を持たないピトフーイもいる

ここまで散々「毒」「毒」「毒」って言ってきたのに、今さら何なんだけれども。

ピトフーイの1種ムナフモリモズには毒がない。

えぇ、何それ!?

って思ったよね。少なくとも自分はそう思った。

これだと「毒鳥 = ピトフーイ」って図式が崩れてしまうじゃないかって。

だけど、テレビのクイズ番組で

問「毒を持つ鳥は?」
答「ピトフーイ!」

で大丈夫だったんで、ざっくりと

ピトフーイという名の毒を持つ鳥がいる

で行けるんじゃないかと思う。

でもって「厳密にはちょっとだけ違うんだけどね」と心の中でそっと思っておこう。

その他の毒を持つ鳥

その後の研究で、ズアオチメドリ、チャイロモズツグミからも毒が見つかっている。

ともにピトフーイと同じニューギニアに生息する鳥で

ニューギニアに何があった!?

と思わずにはいられない(笑)

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